孤独のプロ野球

『感情をむき出しにするつかの間の自由を 求め、誰にも邪魔されず、気を使わず 孤独にプロ野球を楽しむ。』 基本、一人気ままにプロ野球 (主にジャイアンツ戦)を楽しむ 筆者の日常を交えながら展開するブログ。 バリバリの文系出身。 勝てば喜び、負ければ凹む。野球を語るのはおこがましいと思いつつ、 感情の赴くままにド素人なりの戦評&雑感を展開。 2013年8月よりスポーツナビ+でスタート。

北の大地で(タイシを抱け!)〜ジャイアンツ、大田・公文↔︎日ハム・吉川・石川の電撃トレードに感じたチーム事情とは?

今朝は何だか無性にブログを更新せねばという思いに駆り立てられていた。

CS終了後、(今年はオフも更新します!)と書いたはいいけど、ここ数日はめちゃくちゃ忙しかった。会社恒例のイベントに加え、夏場にサボっていた仕事のツケがここへ来て一気に回ってきた。ドラフト会議以降、あちこちから仕事の進捗具合を急かされて、もう死にそうな日々…。自業自得としか言い様がないのですが、そんな訳で疲れてブログを書く気力が起きませんでした。

ただ、今週あたりでそろそろ…という思いもあった。だが、待ちわびていたFA解禁日を過ぎても目立った動きもなく、これと言ったジャイアンツネタもない。強引に秋季キャンプネタで更新するか?と思った矢先、キタァァァ~!絶好のネタになるニュースが舞い込んできました。

ジャイアンツ、大田泰示公文克彦日本ハムへトレード!相手は2012年パ・リーグMVPの吉川光夫のビックネーム!?石川慎吾も付いて2対2で成立となりました。

う~ん、びっくりしましたねぇ。未来の巨人軍の中心選手に育って欲しい!と期待した大田が放出された…というより、日ハム・吉川が移籍してくる方が…ね。そんな訳で、いつものようにここんちの管理人が勝手に思った今回のトレードについて書いてみます。

【どちらかと言うと日ハムの思惑が強い?】

このニュースを見て真っ先に思ったことは(さすが日ハムやなぁ~)という球団経営の妙味を感じました。自分は日本ハムファイターズという球団を詳しく知っている訳ではないので、これから書くことに誤りがあったらゴメンなさい。ただ、大枠は外していない気もしますけどね。

このトレードされる選手を見て、プロ野球を知っている方ならまず思うのが(巨人、得してね?)という点。巨人サイドの大田と公文だが、はっきり言って一軍でコレという結果を残していない。大田は話題先行で他球団ファンでも知っている方が多いとは思うけど、成績を見るとMUGO・ん!?…色っぽいと工藤静香の名曲がループする感じ。公文に至っては入団4年目の今年になって、や~っと戦力になる?と期待できるようになったレベル。単純に考えれば、使いモノになるかどうかは日ハムさん次第!な選手。

一方、トレードで移籍してくる吉川は2012年はエース格じゃなかったっけ?それ以降、成績が伸び悩むも昨年は11勝を挙げ復調の兆し。今季は7勝止まりで日ハムの逆転優勝と日本一に大きく貢献とまでは行かないけど、立派な戦力だったはず。もう1人の野手・石川も高卒5年目で将来を期待されていた右の大砲候補…だったはず。ただ、失礼ながら石川は実績だけ比べると大田と公文に釣り合う気がします。でも日ハムさん、吉川は気前が良すぎないかなぁ。どんな理由があるにせよ、2012年の活躍以降はどう考えても一軍の戦力としてカウントされるレベルの選手。それをどうしてリリースしたのでしょうかね。

1番の理由はお金=年棒だと思います。日ハムさんは見事10年ぶりに日本一!いやぁ~、良い試合してましたね~。ただ、優勝しちゃうとそれだけ活躍した選手が多いはず。必然的に選手の年棒も上げなくちゃならない。リアル二刀流・大谷を筆頭に中田、西川、中島、有原…とかうる覚えの知識では書ききれない選手がその対象になるでしょう。そんな中、去年の活躍で年棒が9500万まで上がっちゃった吉川光夫の存在価値が微妙と判断されたのかなぁ。今年の成績は7勝6敗3セーブ防御率4.19という払った給料に対してコスパに合わない?微妙な内容。ただ、チームの優勝に全く貢献していない訳でもなく、チームは日本一になっちゃったから、大幅に減棒する理由もない。よってチームとしては吉川に対する評価は微減or現状維持が良いとこ。ただ、来季のチーム構成を考えると、先発ローテは大谷を中心に増井と有原、それから今季急成長を遂げた高梨と加藤、後は助っ人1,2人と若手の底上げで何とかなる算段が立つのでしょうね。そこまで吉川に固執する理由もなく、むしろコストカットの理由で放出も仕方ないという理由が強まった気がします。

また、もう1つ考えられるのは、FA宣言が噂される陽岱鋼の動向もあるのでは?と思います。去年、年棒で揉めて今季取得するFAの権利を行使するのでは?と注目されていましたが、やはりその可能性があるのかなぁと思います。その証拠に右打ちの外野手・大田を欲しがったのだからね。一軍ではセ・パとリーグは違うけど、二軍ではイースタンで共に戦う両チーム。そこでチェックして、未完と言えど選手としての大田の可能性を高く評価してくれたのでしょうかねぇ。現時点では不確定ですが、もしも陽が抜けた状況を想定して動いたトレードとも感じられる。

今季膨れ上がりそうな選手総額年棒を少しでも抑え、来季戦力ダウンしそうなポジションを多少でも埋めておく。そんな日ハムサイドの思惑が先行して、今回のトレードが成立した。自分はそう思いました。ジャイアンツとしては、大田と公文で吉川が獲得できるのであれば御の字でしょう。そこに大田が抜ける事で手薄になる右打ちの外野手枠で石川も付けてもらえた。ここは巨人サイドが相当粘ったのかも?勝手な憶測ですが、2対1のトレードでもおかしくない選手を2対2に持ち込んだ気がします。ちなみに、巨人は足りてないポジションだらけなので、思惑は割愛しています。

【何故?ジャイアンツは大田をリリースした?】

2008年ドラフト1位で将来の4番候補を期待されて入団した大田泰示。ここ数年、あまりの未完っぷりにオフのネタ選手となりつつあった彼でしたが、ジャイアンツで完全覚醒を観ずにトレードかぁ。(残念!)とか(寂しい…)という気持ちもありますが、決まったことにどうこう言うつもりも起きない。環境が変わって覚醒してくれることを願う。

思えば、大田にとって今年がジャイアンツで生き残るラストイヤーだったんだなぁ。ソフトバンクと競合の末、1位を引き当ててくれた東海大相模高のセンパイ・原前監督がチームを去ってしまい、(後ろ盾を失った)というゴシップを多く見かけた。ただ、原さんがいなくたって戦力として力を発揮すれば、誰だって認めるはず。つまらないゴシップに負けずに頑張れ、大田!…と思っていたら、その通りになっちゃった。

今季の成績は62試合に出場し、119打席で23安打の打率.202 4本塁打 13打点。

どう?日ハムファンの皆さん、微妙過ぎる数字にMUGO・ん!?ってなっちゃうでしょ?それでも、今年の大田がちょっとだけ輝いた時期があった。それは、皮肉にも交流戦vs日ハム3連戦。1戦目は奇しくもトレード相手となった吉川から3安打の猛打賞。チャンスメイクで勝利に貢献。3戦目は敗戦したものの、先発・大谷から初回に先頭打者ホームラン!…って、あれ?今年のここだけを観た日ハムファンからすれば、良い印象があるかもね。

この活躍を買われて、次節のvs西武戦もスタメンが続いたのですが、アノ試合でやっちまったなぁ。6/9vs西武戦、7回裏に逆転を許すきっかけとなった取れそうな打球をポロリでツーベースにしたプレー。あそこから一気に運気も下がり、首脳陣からの信用も失った気がする。打つ方は波があっても多少我慢できるけど、守りで拙いミスが出ちゃうとね…。使う方も使う気になれないはず。皮肉にも自身のバースデーで犯したミスでねぇ。もし日ハムで一人前の選手になれたのなら、この日が本当のバースデーだった…とか、あの番組で特集して欲しいものです。それ以降、大田のスタメン起用はグッと減ってしまう。

だが、7/8vsDeNA戦では、4番・長野が自打球でベンチに退き、代役として入った大田が決勝タイムリーで勝利!…なんて試合もあった。この活躍で翌日はスタメン起用のチャンスをもらった大田でしたが、そこでノーヒットで結果を出せず。ここで継続した活躍が出来れば…。自力でモノにしたラストチャンスをモノに出来なかった大田。これ以降、主に代打で途中出場のパターンばかり。そこで結果を欲しがってバットをブンブン振り回して三振の悪循環。不憫やなぁと思いながらも、もう少し頭を使って欲しかった。この流れを見て、球団幹部や首脳陣の方々もトレードに踏み切ったのだろう。

(このまま残しても誰も得しない。)

チームも本人も幸せにならないのなら、環境を変えてみたらどうだろうか?そんな意見が尊重され、今回のトレードに至ったような気がする。でも、1番は吉川がゲット出来るなら(大田?ど~ぞ、ど~ぞ!)と言うのがホンネかもね。

吉川光夫と石川慎吾に期待するポイント】

さて、ことわざで言えば(エビで鯛を釣る)的なトレードで北の大地からやってきてくれる吉川に期待するポイントとは何だろう?これは2つあると思う。1つはベタに先発投手の補強。先発出来る投手は多いに越したことはない。年間通して6人同じ投手がきっちりローテを守れるはずはない。ましてや、日ハムで実績のある吉川は、状態が良ければローテの軸になり得る投手。この選手を獲得したことにより、ドラフト1位で即戦力投手を獲得出来なかったミスがカバー出来たかも?来季に向けたジャイアンツのチーム構成上、良い補強となったと言えるでしょうね。先ずはベタにこの見方がある。

2つのポイントは、ひょっとして吉川を中継ぎ起用でも考えているかも?今年の吉川の成績を見ると、先発としてはちょっと物足りない5回前後で降板する結果が多いように見えた。交流戦で対戦した際も、ジャイアンツ打線が5回に捉えて4点を奪い降板させていた。推測するに、今年の吉川はスタミナに難ありだった気がする。そう考えると、前述した先発ローテでガンガン活躍する妄想はお門違いなのかなぁ。そんな吉川の状態を見兼ねて、栗山監督は8月に吉川をリリーフで使っていた試合が数試合あった模様。なので、今季3Sという数字が付いているようです。その点を考えると、適正があるのかは不明ですが、吉川を先発でダメなら中継ぎorリリーフで起用するという策もある。今年、山口鉄也の不調で痛感した(ジャイアンツ、左の中継ぎ投手が誰もいない)問題が解消出来るかも知れない。

この2つのポイント両建てで考えるとしたら、ジャイアンツにとって非常に有意義なトレードだったと言える。…いや、単純に実績だけみたら、こっちが得しかしていないよね。それから、今年のドラ1ルーキー・吉川尚輝と既に在籍している吉川大幾に続き、3人目の吉川が入団というややこしい現象が起きた。登録名、どうなるのだろう?それと、自分が仕事で毎日のようにメールと電話でやり取りしている女性も吉川さんなんだよなぁ…って、関係ない情報まで添えてみる。こんな感じで見れば、吉川を獲得した意味がより深まりそうな気がしたので書いてみました。

また石川慎吾ですが、今年23歳のプロ5年目の選手とまだ伸びしろがあるかも?期待できる経歴が魅力。一軍でも数字はアレでしたが、印象に残る活躍はあった様子。特に左投手に強いということで、左専門でもから一軍でその力をみせてくれ!二軍には名伯楽・田代バッティングコーチがいるので、何とかその手腕で石川を覚醒させて欲しいものです。

以上、思いついたことは書きましたが、アレ?公文について全く触れていなかった。補足的な感じで申し訳ないですが、日ハムさんの優秀な育成能力なら戦力になるかもね。今年は12試合に登板して勝敗なし防御率3.86の成績。ケガで投げていない時期もあったようですが、素材としては輝きを放ち出したかも?ストレートの球威があるのが魅力ですが、コントロールにまだ難がある。その辺をどう修正出来るか?で日ハムさんの戦力になれるかもね。ひょっとしたら、こっちの方が大田より化ける可能性があるかも知れません。

最後に巨人から日本ハムへ移籍してしまう大田泰示公文克彦へ送る言葉。

教科書で習っただけで、実際のところはよう知りませんが、明治時代初期に札幌農学校に招かれたウィリアム・スミス・クラーク氏(いわゆるクラーク博士)が、1期生との別れの際にこう言ったそうです。

「Boys, be ambitious(少年よ、大志を抱け)」

まぁ、意味としては(ザギンやギロッポンでいいナオンを抱けよ!)という訳ではなく、(野心的であれ!)という意味だそうです。特に大田については、漢字は違うけど(タイシ)と名前が付いている訳で、それを文字通り、クラーク博士が言い残した北の大地で大志を抱いて欲しい…そう思います。公文だって、まだまだ成長する余地はあるからね。2人共、日ハムの一軍選手になれるように頑張って下さい。色々書いたけど、マジで応援しています。そして、日ハムファンの皆さん、どうか可愛がってあげて下さい。

球団間でウィークポイントを補うために、選手を交換し合うのがプロ野球のトレード。冒頭から(巨人が得した)口調で書きましたが、これも来季が始まってみないと分からない。正直、(どっちが得した?)とか書いても意味がないのは承知しています。願うは結果的に両球団がどっちも得した(Win-Win)な関係がベストでしょう。そうWin-Win→ウィン-ウィン→ウィ~ン、ウィーン、ウィ~ン…って連呼していると、何か怪しいおもちゃの音を想像するのは自分だけでしょうか?

そんな感じで、また。